ナナちゃんは9歳のポメラニアンの女の子です(避妊済み)
1歳のときに全身のトリミングをしたところ、それ以来、胴体を中心に毛が生えてこない状態がずっと続いていました。
当院に初めて来院したときのナナちゃんは、胴体の毛は薄く、黒ずんだ皮膚が透けている状態でした。
しかし、治療1か月目くらいより徐々に毛が生えてきて、3か月を過ぎるころには全身ほぼ元通りに毛が生えそろい、皮膚もきれいなピンク色に戻りました。
これは、Postclipping Alopecia(毛刈り後の持続性脱毛症)という状態と考えられます。
通常、ワンちゃんの毛は、成長期→退行期→休止期→脱毛期→成長期、と周期的に生え変わっています。
なぜトリミング後に毛が生えてこなくなるのか、その詳しい原因・病態は解明されていないようですが、Postclipping Alopeciaのワンちゃんでは、ほとんどの毛が休止期のままになります。
治療によって、8年間、眠っていた毛(毛母細胞)が目覚め、また伸びてきた、ということに、飼い主様も大満足。
ナナちゃんも今年の冬は久しぶりに温かく過ごせそうですね!!