病院からのお知らせ、病院での出来事などを、お届けします。
はるにれだより
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8年ぶりに毛が生えた!
ナナちゃんは9歳のポメラニアンの女の子です(避妊済み)
1歳のときに全身のトリミングをしたところ、それ以来、胴体を中心に毛が生えてこない状態がずっと続いていました。
当院に初めて来院したときのナナちゃんは、胴体の毛は薄く、黒ずんだ皮膚が透けている状態でした。
しかし、治療1か月目くらいより徐々に毛が生えてきて、3か月を過ぎるころには全身ほぼ元通りに毛が生えそろい、皮膚もきれいなピンク色に戻りました。
これは、Postclipping Alopecia(毛刈り後の持続性脱毛症)という状態と考えられます。
通常、ワンちゃんの毛は、成長期→退行期→休止期→脱毛期→成長期、と周期的に生え変わっています。
なぜトリミング後に毛が生えてこなくなるのか、その詳しい原因・病態は解明されていないようですが、Postclipping Alopeciaのワンちゃんでは、ほとんどの毛が休止期のままになります。
治療によって、8年間、眠っていた毛(毛母細胞)が目覚め、また伸びてきた、ということに、飼い主様も大満足。
ナナちゃんも今年の冬は久しぶりに温かく過ごせそうですね!!
暑さ対策
先日、子供といっしょに地引網体験ツアーに参加しました。
珍しい魚が捕れたわけではありませんが、自分たちで捕った魚には、スーパーに並んでいる魚にはない、特別なおいしさがありました。
今日で8月も終わり。暑さもようやく落ち着いていきそうです。
最近、札幌の夏も本州のようになってきた、とよく聞きます。
ここ数年、ワンちゃん、ネコちゃんのためにエアコンを設置するご家庭も増えているそうです。
基礎疾患の有無にかかわらず、夏の暑さが引き金となって体調を崩し来院する動物が、以前より増えています。
ここ10年の札幌市の7、8月の気温の推移をみてみると、8月はあまり変化がありませんが、7月は最高気温が25℃以上・30℃以上になった日数がどちらも明らかに増えているように思えます。
「この時期からエアコンを付けていたら、夏を越せない」など、自分も自宅ではついつい言ってしまいそうな言葉ですが、早めの暑さ対策が大事なのかもしれません。
夏前にすっきりサマーカット(毛刈り)することで、例年にくらべ目にみえて寝つきが良くなったワンちゃんもいます。
病気の治療はもちろんですが、体調を崩さない環境づくりもお手伝いできればと思っております。
看護の力
マルチーズの16歳のジェリーちゃんが、初めて来院したのは去年の6月でした。
ジェリーちゃんは以前から立てなくなっていたため、基本的に往診で診療を行ってきました。ふり返ってみると往診回数は160回以上になりました。
最初の症状は、今日からギーと鳴くようになって、呼吸も苦しそうで、死んでしまいそうだ、というものでした。
頸部痛(首の痛み)からの症状として治療を行うと、間もなく呼吸も落ち着き、足のツッパリなどもなくなって、ゴハンも毎食モリモリ食べるまでに回復しました。
しかし、8月、今度は暑さで食欲も元気もどんどん落ちて行ってしまいました。
日に日に落ちる食欲と体重に、病院に移動させ数日入院で点滴治療を行いましたが、それでも食欲は戻りません。
飼い主さんと相談して、自宅に戻して点滴を続け、様子をみることとなりました。
自宅での点滴の何日目でしょう?何も食べようとしなかったジェリーちゃんが、飼い主さんが試しにあげたメロンのしぼり汁をなめました。
そして、それをきっかけにまた少しづつ食べ始めたのです。
夏の暑さが落ち着くころには、またモリモリ食べるジェリーちゃんに戻っていました。
お正月も迎え、雪が解け始めるころから、また少しづつ食べる量が減ってきたジェリーちゃんは、17歳の誕生日を迎える1か月前に飼い主さんの腕の中で眠るように亡くなりました。
ジェリーちゃんと飼い主さんには、愛情一杯の看護の力を、改めて教えられました。
花壇
健康診断に行ってきました!
先日、忙しさにかまけてずっと行けてなかった健康診断に5年ぶりに行ってきました。
前の晩より何も食べず、身体検査、血圧測定、尿検査、便潜血検査、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、胃部レントゲン検査を受けました。
結果は、大きな異常もなく、ひと安心。
でも、 「合図をしたら、ゲップをせずに一気に飲んでください」と紙コップになみなみ入ったバリウムを渡された時は、健康な私でも何だか胸が気持ち悪くなりました・・・。
動物病院に来院されるワンちゃん、ネコちゃんは、こういった小さなストレスの連続です。
ストレス・負担の少ない診療を。動物たちの気持ちが実感できました。
ワンちゃん、ネコちゃんの1年は、人間の4~5年に相当すると言われています。(大型犬では7~8年)
「最近、ちょっと体がだるいニャン」などと、体の不調を教えてもくれません。
病気は早期発見、早期治療が大切です。
病気とまでは判定されない軽度の異常値も、いつも食べているフードなど生活習慣を変えてあげることで、良化する場合もあります。
ワンちゃん、ネコちゃんとも、7~8歳(人間の40代)を過ぎたら、年1回の健康診断をおすすめいたします。