マルチーズの16歳のジェリーちゃんが、初めて来院したのは去年の6月でした。
ジェリーちゃんは以前から立てなくなっていたため、基本的に往診で診療を行ってきました。ふり返ってみると往診回数は160回以上になりました。
最初の症状は、今日からギーと鳴くようになって、呼吸も苦しそうで、死んでしまいそうだ、というものでした。
頸部痛(首の痛み)からの症状として治療を行うと、間もなく呼吸も落ち着き、足のツッパリなどもなくなって、ゴハンも毎食モリモリ食べるまでに回復しました。
しかし、8月、今度は暑さで食欲も元気もどんどん落ちて行ってしまいました。
日に日に落ちる食欲と体重に、病院に移動させ数日入院で点滴治療を行いましたが、それでも食欲は戻りません。
飼い主さんと相談して、自宅に戻して点滴を続け、様子をみることとなりました。
自宅での点滴の何日目でしょう?何も食べようとしなかったジェリーちゃんが、飼い主さんが試しにあげたメロンのしぼり汁をなめました。
そして、それをきっかけにまた少しづつ食べ始めたのです。
夏の暑さが落ち着くころには、またモリモリ食べるジェリーちゃんに戻っていました。
お正月も迎え、雪が解け始めるころから、また少しづつ食べる量が減ってきたジェリーちゃんは、17歳の誕生日を迎える1か月前に飼い主さんの腕の中で眠るように亡くなりました。
ジェリーちゃんと飼い主さんには、愛情一杯の看護の力を、改めて教えられました。